脱!不安なひとり老後のお金

夫婦ふたりで暮らしている人でも配偶者の死亡などによってひとり老後は突然やってきます。なにも独身の人に限ったことではありません。特に女性は男性よりも平均寿命が長い分、ひとり老後になるリスクが高いといえます。

あなたはいざ、ひとり老後になったときの覚悟はできていますか?少しは財産があるからと楽観的に考えていないでしょうか。少しでも誰にも頼らず生き抜くノウハウを伝授していきたいと思います。

不足した老後資金の補い方と対策

ひとり老後には1千万円で十分?

結婚していて配偶者や子どもがいる人にもひとり老後はある日突然やってきます。子どもがいても結婚して独り立ちしてしまえば、当てにはできないでしょう。夫婦どちらかが亡くなってしまえば、その後はずっとひとり老後・・・・決して他人ごとではありま

せん。老後の生活資金の柱は公的年金ですが、国民年金だけに加入している人の場合40年加入の満額受給でも月額わずか6万5000円程度です。厚生年金に加入している人でも平均で月額14万5000円程度ですが、それでも年金だけで暮らしていくには厳しいでしょう。国民一人ひとりが自助努力で補うしかないのです。しかし、自宅があり贅沢をしない人であれば≪ひとり老後≫の場合1千万円もあれば十分といえます。

生活資金が足りなくなっても自治体融資の利用が安心!

多少の貯えがあったとしても、大きな出費が重なれば老後資金が底をつき生活が困難になる恐れがあります。冠婚葬祭や長期にわたる入院、住宅リフォームなど様々です。

そこで老後資金を補う選択肢のひとつとして自治体からお金を借りられる生活福祉資金があります。低所得者・障がい者・高齢者の世帯を対象とした公的な貸付制度です。無利子あるいは低利子で借りられるのがメリットですが、あくまで借りるお金なので当然決められた期間内に返済する必要があります。返済期間中にお金を借りた本人が亡くなった場合、相続人や連帯保証人が残金を返済しなければなりません。

※条件によって返済免除になることもあるすべての高齢者がお金を借りられるわけではありませんが、万一のときは検討してみましょう。

資金不足になる前に自分の資産を確認する

公的年金だけでは暮らしていけないため、ひとり老後に備えるためには≪現在自分がどれだけの資産をもっているか、その総額はいくらなのかを知ることが大切です。ではひとり老後を迎える前に様々な資産について確認していきましょう。

他に、希少性の高い美術品や骨とう品など老後生活に役立つ資産といえるでしょう。もう一つ、親の遺産もありますが相続するのはプラスの資産だけではありません。亡くなった親に借金や未納の税金があった場合、相続する子どもは負債も引き継ぐことになります。それが嫌なら相続放棄をえらべます。親の資産はオマケ程度に考えておくのがいいでしょう。

ひとり老後にかかる「自分の支出」はいくら?

自分の総資産が分かったら毎月かかる「自分の支出」です。老後資金の目安がわかります。ひとり老後で最も心配なのは要介護になったときの費用です。有料老人ホームなどの施設に入居することになった場合多額の費用が必要です。

比較的費用が安く、質の高い介護サービスを期待するなら特別養護老人ホームがあり、月額8~10万円程度で済み所得が少なければ費用はもっと安くなります。ただし、待機者が多くいるためすぐに入所できません。一時的に費用の高い老人ホームに入所するなどのことを念頭に置いておきましょう。

最後の砦「生活保護」もある!

貯えが少なく、年金も極めて少ない人はどのように生活すればいいのでしょうか。そこで最後の砦となるのが≪生活保護≫です。生活に困っている人に必要な保護を行い、自立を支援する制度です。困窮の程度や世帯状況に応じ、月々の保護費や一時金が支給されます。しかし、生活保護を受けるためには4つの条件が必要となります。

①資産をもっていない
②働いても収入が足りない
③年金や各種手当では不十分
④親族から援助を受けられない

預貯金他、不要な不動産、自家用車などはすべて売却して現金化し生活費に充てなければいけません。年金や各種手当をもらっている人はそれも生活費にまわします。そして労働が可能な人は能力に応じ、働かなくてはなりません。さらに、親・子・兄弟などの親族がいる人は仕送りをもらうなどの支援を要請しなければいけません。これらを行ったうえで、月々の収入が最低生活費を下回ると判断された場合に生活保護を受けられます。生活保護費は地域や世帯状況によって計算方法も異なってきます。

年金を増やすコツ

年金の支給もれに要注意!

女性の場合年金は、一般的なライフサイクルでは加入する年金制度が頻繁に変わるため男性に比べて≪支給もれや未納が発生して損をしやすい≫ので要注意です。年金制度の変わり目でリスクが生じます。例えば、夫の退職で妻が第3号から第1号になったとき、手続きをしないと未納期間となってしまいます。

夫が再就職をすると妻は第3号に戻りますが、未納期間が1ヵ月以上あればその期間分年金は支給されません。また、夫が転職せず勤めあげても定年退職時は要注意です。妻が年下の場合第3号から第1号になります。また、本人だけではなく国側にも責任があります。女性は結婚で姓が変わるので、記録がもれていることが多々見られます。下記のような様々なケースがありますので、再確認してみましょう。

夫が死亡したら「もらい忘れ年金」を見つけてもらおう!

年金を受給中の人が死亡した場合まだ本人に支給されていない年金のことを未支給年金といいます。年金受給者が死亡した時この未支給年金は必ず発生し、請求すれば妻などの遺産がもらえますが、夫が死亡した場合妻は≪未支給年金≫の存在を知らないケースが非常に多いので要注意です。また、年金に加入していたのに実際には未請求となっている
年金もあり、これをもらい忘れ年金と言います。

これは夫の死亡後でも妻が請求すれば年金を受け取ることができますが、5年より前の分は時効で受け取れなくなるので要注意です。そして国の記録管理不備で年金記録もれになっている記録もれ年金は時効はありません。この場合、夫が受け取るはずだった年金を全額妻が一時金としてもらえる他、記録もれで夫の厚生年金が増えた場合妻の受給する遺族厚生年金も増えるため、受給額が大幅にアップする可能性があります。

年金を早くもらいたかったら特別年金?

国民年金は原則65歳から支給されますが、厚生年金の場合65歳前からもらえる特別年金があります。(特別年金=特別支給の老齢厚生年金のこと。以下、特老厚)そこで注意したいのが、公約年金の受給資格(原則10年以上加入)と厚生年金の加入期間1年以上が受給要件になることです。

この要件を満たさなければ通常通り65歳からの支給開始となります。そこで、厚生年金の加入歴がない人や1年未満の人はパートなどで働いて(厚生年金に加入)1年以上の加入期間にすれば特老厚がもらえます。短時間パートで厚生年金に加入しない人や、働かない人の場合国民年金に任意加入すれば、65歳から支給される老齢基礎年金を増やすこともできます。

ひとり老後の緊急お金対策

医療費が増えたら「高額療養費制度」で負担を減らそう!

高額療養費用制度とは、病院や薬局で支払った自己負担額がその月の1日から月末までの一か月間で一定の自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額分があとから支給される制度です。本人の年齢や所得によって異なりますが、この制度を利用すれば老後の医療費を過大に心配する必要はないでしょう。

なお≪高額療養費制度≫では基本的にいったん自己負担額を支払っておく必要があり、自己負担限度額の超過分が支給されるまで診療月から3ヵ月以上もの時間がかかってしまいますが、あらかじめ入院することがわかっている時は事前に、加入している公的医療保険の窓口で限度額適用認定証を発行してもらうと、窓口での支払いを自己負担限度額にとどめることができるため、多額の医療費を支払う必要がなくなります。ひとり老後にとってはとても助かる制度と言えるでしょう。ただし、70歳以上の人の場合はこの認定証がなくても窓口での支払いの際自動的に高額療養費制度が適用されます。

医療費だけじゃない!介護費も高額になったら・・・「合算療養費制度」

医療費だけではなく介護費も支払っている世帯を対象に、合計金額が自己負担限度額を超えた場合その超過分が戻ってくる制度を高額介護合算療養費制度と言います。1年間の医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、一定の自己負担限度額を超えた場合に超過分が計算され、それぞれの保険から支給されるという仕組みです。しかし、保険適用外となる費用もあります。入院した際の差額ベッド代や先進医療費、食事代などです。

長期入院で休職したら「傷病手当金」がもらえる

昔に比べ65歳、70歳までと高齢になっても働ける環境が整ってきており、老後の選択肢が増えるのは喜ばしいことと言えます。しかし、その分病気やケガで働けなくなることもあるでしょう。そこで知っておきたいのが傷病手当金です。
業務外の病気やケガで働けなくなったときに、健康保険料から給料の一部が支給される制度です。労務不能となってから連続して4日以上休んだ際に、4日目を支給開始として最長1年6ヵ月を限度に支給されます。支給される金額はおよそ67%程度≫が支給されると考えていいでしょう。なお、傷病手当を受け取っている期間中に退職した場合、継続して1年以上健康保険の被保険者であれば、継続して給付を受けることができます。

不自由になったら「代行サービス」も使おう!

公的介護保険で要介護1~5と認定されるとさまざまな介護サービスを受けることができますが、これらのうち最も多く利用されているのが訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問して介護や生活支援などを行ってくれる「訪問介護サービス」です。しかし、ホームヘルパーは

①要介護者以外に対してのサービスとなる行為
②最低限の日常生活の範囲を越えている行為
③年に数回しか発生しないような行為
のこれらの行為はきません。

そこで公的介護保険で適用されない部分を補ってくれるのが「介護保険外サービス」です。市区町村などが無料または低料金で提供しているサービスから、民間企業の支援サービスまで幅広い種類があります。例えば「家事代行サービス」では、公的介護保険では対象外となる草むしりや窓ふきなどを行ってもらうことができます。そのほかにも「買い物代行サービス」では、指定のお店での買い物が出来るほか、要介護者が杖や車いすの場合には買い物に同行してもらうことも可能です。

これらの介護保険外サービスは、公的介護とは別に依頼するというのが一般的でしたが最近では、介護事業者が公的介護サービスと介護保険外サービスを連続で行う混合介護というサービスを提供する事例も増えてきました。
これを利用すれば、公的介護サービスで家事を行ってもらったのち、介護保険外サービスを利用してペットの世話や草むしりなどを全額実費で行ってもらうことができるのです。

60代だって働いて収入を確保したい!

定年後も再雇用で働けば「雇用継続給付金」がもらえる

60歳で定年退職を迎えその後は公的年金と退職金や貯蓄で悠々自適の生活-そんな甘い考えは最悪の場合、公的年金が支給される前に退職金を使い果たし、老後破産へ一直線となりかねません。今や60歳以降も働いて収入を確保するのが必要となってきているのです。

とはいえ、その大半は定年延長ではなく「再雇用制度」を採用しており、正社員ではなく契約社員などの雇用形態で再雇用しています。再雇用=年収が60歳時点の半分以下になってしまうことも多々あります。が、その減少額を補ってくれるのが≪高年齢雇用継続基本給付金≫と言われるものであり、雇用保険にあります。給付額は給料の最大15%で、支給期間は最大5年間となっています。

シルバー人材センターで少額を稼ぐのもアリ!

60歳以降も働いて収入を得たいけれど体力的に厳しいと思っている人は、シルバー人材センターで働けば、これまでの経験を活かすことができます。ただ、あくまで「生きがいを得るための就業」を目的としているので、一定の収入は保証されていません。収入の相場は全国平均で月8日~10日就業した場合月額3~5万円程度です。

働く場合にはまず、住んでいる市区町村のシルバー人材センターに登録し、説明会へ参加し年会費を支払います。シルバー人材センターが発注者から仕事の依頼を受け、会員を選定し依頼された会員は了承すると発注先で仕事を行うことになります。報酬は、仕事完了後にシルバー人材センターから支払われます。一般的な仕事内容、メリットデメリットは以下のとおりです。

ひとりで安心に暮らせる住まい

家は売却?貸す?それとも一生住む?

ひとり老後を送るにあたり持ち家は安心して暮らすための重要な資産です。持ち家のメリットは、家賃がかからないことでしょう。戸建ての場合は固定資産税、マンションの場合は管理費や修繕積立金がかかったりしますが、賃貸物件に比べたら支出は明らかに少なくて済みます。ただし、体力が衰えると段差につまづいたり階段の昇降が辛くなる
ため、自宅をバリアフリーにしたり手すりを取り付けることも必要になってきます。

しかし、今住んでいる家がいつまでもベストな住居とはかぎりません。広い家を持て余す人も多くいます。そうなると、見守りサービスや生活支援サービスを受けて高齢者向け住宅へ住み替えるのもいいかもしれません。住まなくなった持ち家の活用法としては、貸すという選択肢もあります。

戸建ての場合駅や商業地から離れていることが多いため、マンションに比べると賃貸には向いていませんが更地にすれば貸駐車場やコインパーキングを設置したりすることができます。こうした賃貸事業で年金以外の副収入を得るのもひとつの方法でしょう。

「高齢者向け住宅&施設」という手もある!

転倒や交通事故で骨折し、寝たきりになるケースや病気の後遺症で体が不自由になることも多々あります。認知症を発症して判断能力が低下すると、ひとり暮らしはできません。しかし、有料老人ホームは費用が高く比較的廉価な公的施設は入所するまでにさまざまな経緯をたどります。

入院治療やリハビリのかいあって在宅復帰できる人は、バリアフリー化された施設の中で生活支援サービスが受けられる、高齢者向け住宅も検討してもいいでしょう。オススメなのは、公的介護保険の特定施設の認定を受けている「サービス付き高齢者向け住宅」です。こうした特定施設に入所していれば、将来要介護になっても安心して暮らせます。