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生前整理

終活・生前整理の始める際のポイント

終活を開始する際は、できるだけ早期に取り掛かることが望ましいです。その理由は、終活には多岐にわたる活動が含まれ、時間と体力を要するからです。多くの人が終活を家族への負担軽減のために行うと考えがちですが、本来の目的は自分自身の人生をより自分らしく、前向きに過ごすことにあります。この考え方は、終活を楽しくし、残りの人生を有意義にするための原動力になります。

では、どのようにして前向きな終活を始めるのが良いでしょうか。まず、自分の人生をどのように終えたいか、どのような遺産を残したいかを考え、それに向けた計画を立てることが大切です。これには、遺言書の作成、財産整理、健康状態の管理、人間関係の整理など、さまざまな側面が含まれます。

終活は、自分の人生を振り返り、これからをどう生きるかを考える機会でもあります。自分にとって大切なことを見つめ直し、残りの人生を充実させるための一歩として、終活を前向きに捉えて取り組んでみましょう。

終活とは

終活とは

終活という言葉は、現代社会で浸透してきており、多くの人が終活に取り組んでいるか、将来的には取り組みたいと考えています。終活を始めるきっかけとしては、定年退職などの人生の節目、周囲の不幸、環境の変化、健康の不安などが挙げられますが、多くの人が万一の事態に備え、家族に迷惑をかけないために終活を行っているのが現状です。

「終活」という言葉に対する一般的なイメージは、身辺整理やお墓や葬儀の準備といったものが多く、このために終活に対してネガティブな印象を持つ人もいて、家族間で終活の話をすることはしにくいと感じる人もいます。

楽天インサイトの調査によると、終活を始めたいと考える年齢層は、60代が最も多く、次いで70~74歳が約2割を占めています。20~50代の人々の中には、60代で終活を始めたいと考える人が多い一方で、60代の人々は70代で終活を始めたいと考えていることが分かります。これは、多くの人が自分の終活はまだ先のことだと捉えていることを示しています。終活は、家族に迷惑をかけないためだけでなく、自分らしい人生の終焉を迎えるための前向きな取り組みとして考えるべきでしょう。

終活の目的

終活の目的

終活には二つの大きな目的があります。一つは、家族に迷惑をかけないための準備をすること、もう一つは、自分らしい良い人生を送り、最期の瞬間に後悔しないようにすることです。

しかし、70代で終活を始めると、体力的、精神的な負担が大きくなり、満足のいく終活を行うことが難しくなります。その結果、遺言書の作成や身辺整理など、死に向けた準備に重点を置く傾向が強まり、家族への迷惑をかけないことを主な目的とした終活になりがちです。

終活の最大のメリットは、死の瞬間に後悔しないよう、やり残したことがなく、自分らしい生き方を実現することにあります。これを実現するためには、体力や気力がまだ充分に残っているうちに終活を開始することが重要です。

終活の始め方

終活を始める際には、多岐にわたる内容からどこから手を付けるべきか迷うことがあるかもしれません。そんな時、エンディングノートの作成からスタートするのがおすすめです。エンディングノートは自分の大切な情報をまとめるツールで、書店や文具店で購入できるものや、インターネットでダウンロード可能なもの、役所や業者が提供しているものなど、様々な種類が存在します。

エンディングノートに記入する内容は各ノートによって異なりますので、自分に合ったものを選ぶために複数のノートを比較すると良いでしょう。ただし、初めてのエンディングノートとしては、項目数が少なめのものを選ぶことをお勧めします。項目が多すぎると、途中で挫折するリスクがありますからです。

また、市販のエンディングノートを使用する以外に、大学ノートなどに必要な情報をまとめるという方法もあります。どちらの方法を選ぶにしても、体力や時間、気力がある時に取り組むと、内容が多くても負担を感じることは少ないでしょう。

エンディングノート

エンディングノート

エンディングノートは、人生の棚卸しを行うための重要なツールですが、一度にすべてを記入しようとすると途中で挫折することがあります。そのため、書きやすい項目から始め、無理に全てを埋めようとしないことが重要です。また、誕生日や年末など、定期的な見直しを行うことで、自分らしい生き方を見つめ直す機会とすると良いでしょう。

エンディングノートに記載する内容は多岐にわたりますが、以下のような項目を含めることが推奨されます。

自分の情報 名前の由来や出生地、家族との思い出など、自分に関する情報を記載します。
自分史 学歴や職歴、住んだ場所、旅行先など、自分がどのような人生を送ってきたかを振り返ります。
生活上の契約事項 携帯電話、インターネットの契約情報などをまとめます。
介護・医療・延命治療について 望む介護の形態や医療に関する希望、延命治療や臓器提供に関する意思表示を記します。
葬儀やお墓のこと 供養の形、お葬式の規模や内容、墓地やお墓の情報を記載します。
財産や相続について 預貯金、負債、不動産、有価証券、年金などの情報をまとめます。
保険について 加入している保険の内容や連絡先、受取人の情報を記します。
友人の連絡先 万一の際に連絡を取ってほしい人の情報をまとめます。
家族や友人へのメッセージ 感謝の気持ちや思いを書き記します。
その他伝えたいこと 特に伝えたい事柄やペットのことなど、自由に記載します。

エンディングノートは一度書いたら終わりではなく、時間をかけて見直しや追記を行うことが大切です。自分にとって必要な部分から着手し、自分らしい人生を見つめ直す機会として活用しましょう。

終活をはじめる手順

1.遺言書の作成 エンディングノートには法的拘束力がないため、財産分与など重要な決定については遺言書を作成する必要があります。
2.財産の整理 保有している財産の確認と、不要なものの整理や解約を行います。
3.保険の整理 保険内容の見直しを行い、必要な保障を確保します。
4.生前整理 不用品の処分や人間関係の整理、年賀状の終いなどを通じて、家族の負担を軽減します。
5.お墓や遺影写真の準備 自分のお墓を購入したり、永代供養の費用を支払ったりすること、自分らしさを表現した遺影写真を用意することもあります。
6.葬儀の計画 葬儀で使用する音楽や遺影写真の希望を整理し、可能であれば生前に葬儀場と契約を結び、葬儀の内容を決めておきます。
7.家族や親しい人へのメッセージ 家族や友人に向けて感謝のメッセージを書き残します。口では伝えにくい思いを書面で伝えることができます。
8.医療や介護についての意思表示 自分が望む医療や介護の形を決めておき、家族にもその意思を伝えておきます。
9.やり残したことの実行 自分史を作成することで、自分の人生におけるやり残したことに気づき、それを実行する計画を立てます。
10.毎日の過ごし方の計画 自分らしい生き方を見つめ直し、これからの毎日をどう過ごすかを考え、後悔のない人生を送るための計画を立てます。

これらの活動は体力や時間が必要なため、興味や必要性の高いものから順に取り組むと良いでしょう。

年齢に関係なく、「終活」という言葉に興味を持った時が、人生を前向きに生きるための終活を始める最適なタイミングです。この言葉が気になった時は、人生の楽しみ方を見直す節目であり、終活に取り組むにはちょうど良い時期と言えるでしょう。終活を単なる「死に支度」と捉えるのではなく、自分の人生をより輝かせるための手段として捉えることが大切です。エンディングノートを書くことから始めて、気軽に終活に取り組んでみましょう。自分の人生を振り返りながら、これからの生き方を考えることが、充実した人生を送るための一歩になります。